第17回東方project人気投票 音楽部門の結果の分析(その2)

前回の記事に続き、第17回東方Project人気投票*1の音楽部門を扱います。

 

 音楽部門の分析については、一般に上位の曲のみを扱ったものが多いようです。というのも投票対象の曲数が非常に多いので分析するのが大変ですし、さらに年齢や一押し率などを分析しようとすると、投票者が少ない曲はばらつきが大きく分析に使いづらいのでしょう。前回の分析では下位の曲もある程度扱ってきましたが、それでも表に入らないような曲は対象外とされてしまいました。そこで、今回は全曲参加できるような分析を行いました。

 

 人気投票の結果を眺めていると、下位に向かうにつれて旧作の曲が多くなっていくように見えます。また、途中に秘封俱楽部の曲が多いエリアがあったりします。今回は、このような曲の種類別の順位の傾向を調べました。初めに、投票対象曲全体を8つに分類しました。

①win版整数作品の面ボス曲

②win版整数作品の道中曲

③win版整数作品のタイトル、エンディング、スタッフロール曲

④小数作品の神主が作曲した曲

⑤旧作の曲

⑥秘封俱楽部作品、蓬莱人形の曲

⑦西方、書籍等その他の神主が作曲した曲

⑧神主以外が作曲した曲

 なお、同じ曲扱いの曲が複数の作品で使われている場合、最も上の分類に入れました。例えば、旧作と蓬莱人形の両方で使われている曲は⑤に、西方と蓬莱人形の両方に使われている曲は⑥に分類されます。また、この分類はそれぞれが独立ではなく、隣り合う2分類の間で分けても意味があるようになっています。例えば、⑤より上は神主製のゲームの曲、⑥以下はそれ以外などと分けられます。ちなみに分類しにくい曲は適当に入れました。

 

 そして、今回は人気投票の順位を上から約100曲ごとに分け、それぞれの分類に入る曲の数を調べました。結果はこちらです。

 

 見てのとおり、合計が100%になるようにグラフを作成しました。「301~400」までの4本は合計100曲ですが、498位が10曲あるので、「401~500」には107曲、また「501~」には60曲が入っています。

 それでは、左から順に見ていきましょう。まず、100位以内では①win版整数作品の面ボス曲が半分以上を占めます。逆に、①の中でも半分以上がここに入っています。東方の中でも中心的な作品に使われているので知名度も高いですし、ボス曲はキャラの人気によっても順位が上がると思われるので、多くが上位に入るのでしょう。

 次に、100位台では、(厳密には101~200位ですが、今回は便宜上そのような表現を使うことがあります。)分類①の割合は下がりますが、win版整数作品の曲(①~③)はまだ全体の半分以上を占めています。

 その次の200位台では、win版の曲がさらに減り、⑥秘封、蓬莱のCD曲が大きく増えます。分類⑥の曲は半分近くが200位台であり、300位台ではまた大きく減ります。上位でも下位でもなく、順位表全体の中央付近に集まっているので、これらの曲の順位は比較的狭い範囲に分布していると言えるでしょう。

 その後300位台以降は、引き続き旧作や非神主曲の割合が増加していき、501位より下では半数近くが非神主曲となっています。

 さて、これだけでも曲の分類ごとの順位の特徴が分かりますが、さらに、曲種別の順序を、人気が高い順に並べればより結果が見やすくなるのでは?と思いました。具体的には、その分類の中で、最も曲数の多い順序帯によって並べ替えました。最も多い順序帯が同じ場合、結果が見やすくなるように適当に並べ替えました。例えば、⑥は201~300位に入る曲が最も多いですが、③では301~400位に入る曲が最も多いので、⑥は③よりグラフで下に書かれます。すると、先程の棒グラフから③~⑥を入れ替えた以下のようなグラフになります。

 すると、非常に美しい結果になります。上下に隣り合う二色の帯の境界に注目してください。なんと、どの境界も右に行くほど単調に下がっているのです。例えば、それぞれの棒に水色と緑(③と⑥)の境界を書くと、右の棒ほど境界が下にあります。これは、結果の全ての曲を適切に分類して並べると、グラフで下にある分類から上にある分類に連続的に置き換わっていくことを意味します。説明が難しいですが、これは奇跡的なことだと考えられます。もし、曲がどの作品に登場するかが人気投票順位に与える影響が小さければ、上のグラフのような結果は得られなかったでしょう。我ながら凄い発見をしてしまったかもしれません。もちろん、今回の筆者の分類では分類番号に意味があり、複数の分類に当てはまる曲は番号が小さい方に入れることにしているので、分類番号順に並べないのは不適切かもしれません。しかし、投票対象の全ての曲を同じ基準で分類していることに違いはありません。

 

 今回の分析は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

*1:公開時点では第17回にリンクされていますが、この記事を閲覧している時期によっては第18回以降のページに繋がる可能性があります